【2015冬】山陰ローカル乗りつぶし 第2日・前編〜日本一のローカル線 サンコー線〜

ご無沙汰しております。投稿が遅くなってしまい申し訳ありません。また、予告していた正月きっぷの旅と順番が前後することをご了承ください。
完全に言い訳ですが、バス乗り継ぎやインフルに感染したりしてだらだらしてました。


初回(第1日・前編)は→こちら
福塩線ネタについて書いた前回(第1日・後編)の記事は→こちら




今回は、2018年4月1日に廃止される三江線に乗車!!
どうせ廃線になるってのに、今更ながらラインカラーと路線記号→ F が設定された。(訪問時は設定なし)
そんな三江線の1日の平均利用者は175人(H25)で、約15年前のH9年の1054人の10分の1にまで減少している。(江津市HPより)。輸送密度は58。岩泉線無き今、ワースト1位の値を叩き出している。全長108km、35駅の長大路線なのにこれだから一層たちが悪い。
本当にひどい減り具合。もはや廃止は免れない。されど(無責任ながら)どうか存続してほしいと思うのが鉄心というもの。まあ、廃止になるからといって最終日に押しかけるような葬式鉄まがいの行為はしませんが…。
御託はこの辺にして本題に入りましょう。


【12月27日 日曜】
5時頃に起床。着替えを済ませ、ホテルを出たのは5:15頃。当然ながら辺りは真っ暗で人の気配はない。濃い霧が閑寂さを一層助長していた。
早朝にもかかわらず目が冴えているのは三江線に対する期待からか、凍えながらM氏と三次駅を目指す。
三次にも夜行バスが走っているのだと感心しつつ、駅に着いたのは5:35過ぎ。予定より少し遅くなったためか、既に列車は乗車可能になっており、先客が多数いた。(初電というか初列車だから少ないと思ったのに裏をかかれた気分。)

●422D ワンマン普通江津方面浜田行 三次546→江津932 キハ120-308(米ハタ)1両
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サンコー線活性化の一環で各駅に石見神楽の演目に因んだ愛称が付けられている。こんな事で利用者が増えるはずもないが、何とか延命しようとしているのは分かる。結局、努力もむなしく廃止が決定してしまったが…。今回、サンコー線乗車の決め手となったのは言うまでもなく、石見神楽とやらではなく廃止の報道だし。
その石見神楽とやらがこちら↓
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三次は土蜘蛛
土蜘蛛といえば神武天皇東征の際、行く手を阻んだチビで手足の長いやつ…のはず。

発車標
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このような田舎なら5:46発が1番列車かな?と思いきやこれより前に

5:16発 福塩線・府中行
5:28発 芸備線・広島行

が設定されている。芸備線はまだ分かるが、福塩線は誰が乗るのか?きっと空気輸送だろうが…。ん、昼間でも空気輸送だって? 確かにそうだな。

5:46に三次を発車。車内は20人弱、うち10人は若いのから年配まで種々様々な団体でクーラーボックスに酒を満載している。ダメだ、絶対うるさいパターンだ。残りは同業者と思しき者で、一般人はいない模様。キハ120のようなセミクロスタイプはボックス部分から埋まっていくのでやむなくロングシート部分に着席。
約3分で最初の停車駅、尾関山に停車。尾関山は三次の中心街に近いらしいが、乗降はおろか、家の灯も見えない。真冬のこの時間、空は当然真っ暗なので明かりといえばセブイレかキハ120先輩の前照灯くらいなものである。それでもキハ120は闇の中をひたすら走る。
続いて列車は粟屋に停車。その次は長谷…の筈もなく通過。秘境駅長谷は当然のごとく通過し、船佐に停車。実はこの時、激しい腹痛に苛まれていたが、長谷駅を一目見るまで我慢しようと思っていた、けれども遂に見出すことができぬまま通過してしまった。長谷レベルの秘境駅となると、もはや列車からもその姿を認めることは出来ないのかもしれない(と言いつつも、腹痛のあまり注意力が低下していただけかもしれない)。
辺りは依然真っ暗で、車窓を楽しむという感じでもないのでこの間にトイレへ。
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
どうもすっきりしない(;´д`)

不安を抱えたまま乗り続ける。何とか耐えながら乗っていると、例の団体の1人が話しかけてきた。
広「どこから来たの?」
私「京都だお」



こういうやり取りが続いた。正直、こんな些末なことはどうでもいい。私が感慨を覚えたのは、老若男女問わず、広島人は「〜じゃろ?」とか「〜じゃけん」と広島弁全開という事だ。これに尽きる。

闇の中をひたすら走り続け、三次から1時間弱、サンコー線の主要駅 口羽に到着。ここでは6:38から7:07の発車まで30分の大休止。

恒例、駅名標
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駅名標 石見神楽ver(神降し)
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ここでは、三次行下り421Dと交換。貴重な列車交換なのに写真を撮りそびれてしまった(殴)
421Dは6:41発なのでその後すぐに発車すれば良さそうだが、当422Dは7:07まで停車する。何か、素人には知り得ない事情があるのかもしれない。まあ、個人的には大歓迎だが。欲を言えば、口羽でこんなに長く止まらなくていいから、浜原とか石見川本でも少し停車してほしいと思う。
この通り、唯一の長時間停車ということもあって、皆これ見よがしに撮影している。
当の私はというと、↑と↓の最低限の写真だけ撮ってトイレに籠もる。

何とか駅舎を撮影
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口羽駅はイルミネーションでとても綺麗だった。ところで今日は12/27、クリスマスは過ぎてしまったが、果たしてこれはただの取り忘れか?はたまた冬の間中そうなのか?
こんな野暮な疑問はさておき、粋な心意気というか地元民に大切にされているのだと分かり、心が温まった。でも一番はサンコー線に乗ってあげることなんだよ。

西日本のローカル線に乗っていると、キハ120ばかりなので厭になってくるものだが、このようにホームに1両佇んでいるとなんとも言えない旅情を掻き立てられるような気がする。そして逞しく見えてくる。
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・・・・・WCタイム・・・・・
※Water Crownじゃないよ(つまんなくてすいません)

やっと腹痛が治まりました。めでたしめでたし。
てなわけでもう1枚
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随分夜が明けて来たのが分かる。
到着時と比べて見ると歴然
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言い忘れていたが、この長時間停車の間に青春18きっぷに今日の日付を書いてもらった。アーバンネットワークでは○○車掌区とか列車区と書かれたスタンプが押されるが、ここではそんなたいそうなものがあるはずもなく、日付+列番(422D)+運転士のハンコが押される。こういう方式は東海でも見られる。東日本(関東エリア)はスタンプだが、東北や離島3社は承知していない。

引き続き同じメンツを乗せた列車は江津に向けて走る。駅の閑散ぶりはこれまでと変わらないが、線形は口羽までとその先で大きく変化した。先ほどまで「制限30」とかみんな大好きな標識が立っていたが、口羽からは先ほどまでの走りが嘘のようにぶっ飛ばす。線形がいいので80km/hは出ていた。

口羽から2駅、宇都井に到着。
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宇都井では3人が下車。みんなその手の人間だったので、1時間後の三次行の救援列車で生還すると思われる。私も訪問したいのは山々だが、次の列車は4時間後で、先を急ぐ以上泣く泣く断念。
ここ宇都井はこちらの方面の人間では知らない人がいないほど有名な駅。何でもホームが地上20mの高さにあり、日本一高いとかで…。それからエレベーターなど気の利いたものはなく、自力で階段を上るしかない、というのもセットで語られる。

車内から道路を俯瞰
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写真では高さが分かりにくいが、実際には足がすくむような高さ。
これだけ高いところにホームがあるって事はこの辺りは高架になってるって事だが、ちょっとオーバースペックじゃないか?
まぁ、口羽ー浜原は1975年開業でサンコー線では最後に開業した区間で、鉄建公団の建設だからこんな事になるんだろう。Wikiによれば同区間のみ最高速度85km/h、その他は65km/hとなっている。

それから石見神楽バージョンの駅名標「塵倫(じんりん)」
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宇都井では私を始め、多くの同業者がそわそわしていた。
※どうでもいい わけでは無いが、iPhoneで「うづい」と打ったら、「宇井」と出てきた。

宇都井を出ると、石見都賀、石見松原の順に停車。石見松原では1人下車。約30分後に下り列車が来るから降りても問題ない。愛称は「戻り橋」
因みに石見都賀は貴重な交換可能駅
続いて潮(うしお)に停車。潮ってかっこいい名前だな。そして沢谷に停車すると、7:45にサンコー線の主要駅 浜原 に停車。ここでは江津6:00発の下り初列車423Dと交換する。

恒例 駅名標の前に、宇都井からここまでの区間を振り返る。

石見都賀ー石見松原
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先述の通り、口羽ー浜原はトンネルで直線的にぶち抜く箇所も多い。

石見松原ー潮
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霧が濃くて見えにくいが、左に見えるのは江の川。そして線路は直線!正に鉄建公団の威を借るサンコー線。


ここまで振り返ったところで浜原の写真を。
423D(石見神楽ラッピング)
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ラッピング車両を見ると大抵は嬉しいものだが、これは目を惹くものの小さい子が見ると泣きそうな……うん、ビミョーなんだよな。ガチ勢が撮影しているのが見える。こちらも譲り合って撮影していた。

何か古めかしい駅名標
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石見神楽ver「大蛇
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八岐大蛇は誰もが知る伝説の蛇だが、これは幾多にも枝分かれする出雲の暴れ川、斐伊川を表していたとかいないとか。これを須佐之男命が退治した(=治水した)みたいな事が私の読んだ古事記には書いてあった。

3枚↑の写真から分かるように、浜原は相対式ホーム。口羽、石見都賀は島式なので異質なわけだが、これは三江線の歴史に起因すると思われる。
三江南線のうち交換可能なのは口羽と石見都賀でどちらも島式。
三江北線は浜原と石見川本でどちらも相対式になっている。
あくまで仮説だが、別路線として建設された経緯が深く関係していると思われる。
先ほど浜原は主要駅だと書いたが、それはあくまで運行上、であって旅客上は無人駅&1日の平均利用者8人で並みの駅と一緒なので勘違いしないでほしい。

浜原発車は7:47。三次から2時間を超え、車内はいよいよ煮詰まってきた。距離的にも時間的にもほぼほぼ中間地点。江津はまだまだ遠いぞ。
そしてここから先は戦前に開業した三江北線区間だから、ロースペックもといサンコー線に見合った規格になる。

浜原を出ても霧は濃いまま(明塚ー石見簗瀬)
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右に見えるのは同じく江の川
サンコー線は江の川に沿ってくねくね走るが、時々川を渡るので右に見えたり左に見えたりするのである。

浜原から4駅目の乙原(おんばら)では1人乗車、その次の竹でも1人が乗車した。すごいぞサンコー線!!お客さん乗るなんてすごいよ!!
メモには乙原が三次を出て最初の乗客があった駅のように書いてある。このメモが正しければ乙原は記念すべき駅とということになる。(ただし、浜原で交換した423Dに乗車していた同業者の可能性が濃厚)
次の木路原で乗車は無く、8:24にサンコー線随一の大都会 石見川本 に到着。極めて貴重な有人駅&交換可能駅ながら乗り降りは数名。Wikiによれば1日の利用者数23人。粕淵と並んで優秀な部類。因みに石見川本で列車交換はなく、この先終点江津まで1閉塞なのでこれからも交換はない。※石見川本ー江津の営業キロは32.6km

石見川本の町は1回見てみたいと思うが、廃線までに再訪するのは厳しいので、行くとしたらその時は車だろうな。これ以上衰退しないのを願うばかりだ。

駅名標
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愛称は「八幡

江津まであと1時間!いよいよラストスパート。
石見川本の次の因原では1人下車。地元民だか同業者だか忘れたが、後者なら助け(列車)が来るまで5時間待つか石見川本まで歩くことになる。
2つ先の石見川越では1人が乗車した。関東風の名前だが、それは名前だけである。
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石見神楽ver「頼政」
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ん?ヨリマサ?あの源氏の頼政だよね?今まで神話だったのに石見神楽どうした!?

石見川越の隣は田津、江津まであと5駅!
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愛称は「羯鼓(かっこ)・切目」(西の万座・鹿沢口!?)
駅名標のバックをよく見て欲しい、何と民家がある!

田津ー川戸の景色
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石見川本の時点で霧は薄くなっていたが、石見川越辺りでさらに霧が晴れてきてこの通り。ただ雨が降っているのが悔やまれる。

次は川戸、江津まであと4駅!
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愛称は「鈴鹿山」、もはや訳がわからない。
それはさておき、この列車1番の賑わいだ。鉄はもちろんジモティーもいる!!川戸すげえええええ。さすがサンコー線イチの利用者(38人)を誇る駅だ。これを都会と称さずしてどこを都会と言えようか。川戸駅は神だと。今でも思う。(メモには1人下車、7人乗車と書いてある)
それでも、左のホーム跡と線路の妙な曲線が川戸駅の悲しい過去を物語っている。

川戸ー川平ではこのように江の川がはっきり見えた
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川平(愛称:大江山)
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ここも悲しい過去があるんだな…。
江津まであと3駅!距離にして7km
なお、川平では1人が下車、2人が乗車した。江津の街は近い。確実に近づいている。

しかし、その期待は裏切られる。次の千金は1日の平均利用者数ゼロ

問題の千金に到着
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石見神楽ver「日本武尊」
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駅に見合わず立派な愛称を戴いているようだ。
因みに日本武尊は、名曲「信濃の国」でも歌われている。個人的に信濃の国は大好きで、ほぼ毎日聞いている。京都にもそのような歌があれば…と羨ましく思う。
※千金での乗り降りはゼロでしたよ^^

遂に、江津本町、江津の2駅を残すのみとなった。
駅名から江津本町の方が江津市の中心地にあるんだなあと思っていたが、Wikiによれば2006年から平均利用者数ゼロを維持しているという。江津本町すごいな!
本町と思わせておいて何もないという初見殺しの駅だ!!
サンコー線のディープさはここに代表されるのかもしれない。
因みに愛称は「恵比」で、JR東日本(恵比寿駅)に訴訟を起こされるのを辛うじて免れている。

江津本町付近は江の川のすぐ側を走る
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氾濫したら危険云々どころか、横のお粗末な道路(島根県道r112)諸共さらわれるだろうな。

江の川はこの辺りでものすごく広くなって、日本海に注ぐ
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あ、そうそう、この辺りは南から北に川が流れるんだけど、違和感がありすぎてしょうがない。京都だと北から南に流れるのが当たり前だから、分水嶺を越えたと頭では分かっていても「えっ?」と思ってしまう。
日本海側の人からしたら北から南の方がおかしいと思うのかな?
もし日本海側にお住いの方がご覧になっていたらコメントお願いしますm(_ _)m


さて、江津本町を出て江津まであと1駅。そろそろ終わりが近づいてきた。
三次からの運賃は1940円を数える
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これだけ長い間乗っていると少し愛着が湧いてくるのが人情というものだが、サンコー線は最後まで期待を裏切らない。

ほらね
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ついに江津の駅が見えてきた
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江津に来るのは初めてで、本線の特急停車駅としては貧弱だけど、サンコー線的目線では、線路もいっぱいあって他の車両も止まっている立派な駅だと思ったのは言うまでもない。

こうして9:32、三次から3時間46分の長い旅路が終わった
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サンコー線のスタフ
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最後は敬意を表して正確に書きたいと思う。

ありがとう、三江線!すっげえディープで楽しかったよ!!


字数的に厳しいのでここで切ります。三江線ネタもうちょっと続きます。





続く

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